漂白の哲人「孔子」出版

 4月2日に待望の人間・孔子物語が海竜社から出版されることになった。515頁、1900円の大作、傑作長編である。著者は竹川弘太郎さん。帯カバーの宣伝文を紹介しよう。
「2500年前、乱世を正すために、『論語』を遺し、徳の大切さを説いた孔子の思想は、今を生きる我らに正しい生き方と勇気を教えている。」
 その思想を人間・孔子物語として纏めたのが本書である。続けて紹介しよう。
「極貧の農民から身を起こした孔子。その苦難の生涯を描き、人間最高の指針『論語』の名言の生まれた現場に立ち会える日本で初めての長編傑作 !!」
 本書のあとがきでは、編集にあたった畏友宮園功夫氏への著者からの謝辞とともに校正・校閲を手伝った私の名前まで付け加えてもらった。望外の幸せである。
 この本によって私は還暦後の生き方の指針を与えられたと思っている。とにかく、難しい漢字や人名にはすべてルビをふってあるし、論語の各篇についても丁寧に注を付してある。とにかく、読みやすく、親しみやすい内容になっている。私が言うのもなんだが、竹川さんというより、日本文学の畢竟の傑作の一つだと思う。論語儒教に関心興味のない人でも、この本に書かれた人間・孔子の物語は伝記小説として超一流だと確信するものだ。