2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

北狄がほこる私小説の泰斗・石沢武

北狄の石沢武さんは北狄にはなくてはならいかけがえのない同人でした。わたしが北狄に加入した北狄300号祭では、故服部進さんとともに式典のいっさいを仕切られた重鎮でした。そもそもの文学の出発点は小説というより、短歌であったと聞かされています。県歌…

今日の箴言「幻灭之来」

今日の魯迅箴言は「幻灭之来」(幻滅するのは、多くの場合)です。 「幻灭之来, 多不在假中见真, 而在真中见假。」 これの日本語訳はこうです。 「幻滅するのは、多くの場合、 仮のなか真を見たときではなく、 真のなかに仮を見たときである。」 魯迅はこ…

石沢武さん逝く

昨夜、北狄の同人で359号にも健筆をふるっていた大先輩の石沢武さんが亡くなった。朝に、娘さんから電話があり、心筋梗塞と腎不全で危篤状態なので、会いにきてほしいと連絡を受けた。急いで体を洗い、着替えをして県病の8階の病室をたずねた。 下の娘さん…

『十八史略』の鼓腹撃壌の唄

「十八史略」の巻一、帝堯陶唐氏の章に「鼓腹(こふく)撃壌(げきじょう)」という唄があります。 「有老人、含哺鼓腹、撃壤而歌曰、日出而作、日入而息。鑿井而飮、耕田而食。帝力何有於我哉。」 これの読み下し文はこうです。 「老人(ろうじん)有(あ)り、哺(…

今日の箴言「必须敢于正视」

今日の魯迅箴言は、「必须敢于正视」(あえて正視してこそ)です。 「必须敢于正视, 这才可望敢想,敢说,敢作,敢当.」 これの日本語訳はこうです。 「あえて正視してこそ、 はじめて果敢に考え、説き、行ない、事に当たれるのだ。」 魯迅は、問題がある場合、…

君臣の大義と長幼の折

「論語」の微子18篇に次のような節がある。; (18-07)「 子路從而後。遇丈人以杖荷蓧。子路問曰。子見夫子乎。丈人曰。四體不勤。五穀不分。孰爲夫子。植其杖而芸。子路拱而立。止子路宿。殺雞爲黍而食之。見其二子焉。明日子路行以告。子曰。隠者也。使子…

今日の箴言「人生却不在拼凑」

今日の魯迅箴言は「人生却不在拼凑」(人生は、寄せ集めのなかにあるのではない)です。 「人生却不在拼凑, 而在创造, 几千百万的话人在创造.」 これの日本語訳はこうです。 「人生は、寄せ集めのなかにではなく、 創造のなかに在る。 幾千万の生ける人々は…

イチローに学び、初心にかえろう

アメリカの大リーグのイチローが新天地を求めて、マリナーズからヤンキースに移籍した。最後に自らを厳しいポジションに置いて、初心にかえろうという気持ちはわかる気がします。 それにしても、黒田というピッチャーは相変わらず淡々としかも気魄をこめて投…

今日の箴言「一道浊流,固然不如一杯清水的干净而澄明」

今日の魯迅箴言は、「一道浊流,固然不如一杯清水的干净而澄明」(濁流はむろん、一杯の清水の清潔さや透明さに及ばない)です。 「一道浊流,固然不如一杯清水的干净而澄明, 但蒸馏了浊流的一部分,却就有许多杯净水在.」 これの日本語訳はこうです。 「濁流は…

子路、葉公の問いに答えられず

孔子の一行の仕官を求めての旅は、衛、宋、鄭、陳、曹、蔡、さらに楚国の一地方である葉など、弱小の国にまで及んだ。しかし、まだ望みを達することはできなかった。 孔子はついに、楚の昭王への仕官を目標とした。先に呉国に攻められて苦しんだ楚も、呉が越…

今日の箴言「一到不再自欺欺人的时候」

今日の魯迅箴言は、「一到不再自欺欺人的时候」(ひとたび、二度と自分を欺き、人を騙すことのない時が来れば)です。 「一到不再自欺欺人的时候, 也就是到了看见希望的萌芽.」 これの日本語訳はこうです。 「ひとたび、二度と自分を欺き、人を騙すことのな…

63歳の誕生日となった

7月21日が私の63歳の誕生日となった。次男から誕生日プレゼントとして帽子がとどいた。よく気が回る嫁だ。父の日の半袖シャツといい、素直な気持で嬉しい。娘からはプレゼントはないが、電話で健康を気遣ってもらった。 さて、三男の扶養家族でいられるのも…

今日の箴言「幻想飞得太高」

今日の魯迅箴言は「幻想飞得太高」(幻想は高く飛びすぎると)です。 「幻想飞得太高, 堕在现实上的时候,伤就格外沉重了; 力气用得太骤, 歇下来的时候,身体就难于动弹了.」 これの日本語訳はこうです。 「幻想は高く飛びすぎると、 現実に堕ちたとき、傷は思…

小説を書く合間に、曲阜そしてアフリカへ

十八日高校野球の応援から帰ってすぐ、一階の玄関脇の居間に連なる洋間に置いてあったデスクトップパソコン一式を一階の寝室に使っている和室六畳に移動した。八月のねぶた見物に帰省する次男一家を迎えるため、撤去を女房に要求されたためだった。 その夜か…

今日の箴言「语言总是诗,而诗人大半是预言家」

今日の魯迅箴言は、「预言总是诗」(予言は例外なしに詩)です。 「语言总是诗,而诗人大半是预言家. 然而语言不过诗而己, 诗却往往比语言还灵.」 これの日本語訳はこうです。 「予言は例外」なしに詩であり、詩人の大半は、預言者である。 しかし、予言は単…

三田文学で勝又・伊藤両氏に評価される

『文学界』の同人雑誌評が幕を閉じてから、それを引き継いだのが季刊の『三田文学』である。春夏秋冬に発行されている三田文学では、「新 同人雑誌評」として生まれ変わった。我が国で唯一の全国同人誌に発表された小説の評価を勝又浩と伊藤氏貴の二人が対談…

今日の箴言「人生最苦痛的」

今日の魯迅箴言は「人生最苦痛的」(人生で最も大きな苦痛)です。 「人生最苦痛的是梦醒;了无;路可以走.」 これの日本語訳はこうです。 「人生で最も大きい苦痛は、夢が醒めたとき、行くべき路がないことです。」 魯迅のこの箴言は非常に分かりやすい話です…

今日の箴言「希望是附丽于存在的」

今日の魯迅箴言は「希望是附丽于存在的」(希望は存在とともにある)です。 「希望是附丽于存在的. 有存在,便有希望,有希望,便是光明」 これの日本語訳はこうです。 「希望は存在とともにあるものです。 存在あるところに希望はあり、希望あるところに光明が…

三田文学「同人雑誌評」に「北の螢に魅せられて」が載る

全国同人雑誌評が載る唯一の文芸誌「三田文学」の夏季号(2012年8月発行)で北狄358号に出した「北の螢に魅せられて」が取り上げられた27作の中にはいりました。これで、今年に入って、同人雑誌評で取り上げられたのは、「三内の家」に続いて、二度目となり…

喪家の狗

衛の国を出て、宋に国に行き、そこでも追われた孔子一門は、つぎに鄭の国にやってくる。鄭国はその昔、子産という名宰相がいて徳政を行っていたが、子産の死後30年がたち、弱国となっていた。 その鄭国にあって、孔子は弟子たちとはぐれてしまう。そのくだり…

今日の箴言「先驱者本是」

今日の魯迅箴言は「先驱者本是」(先駆者は元来)です。 「先驱者本是容易变成绊脚石的。」 これの日本語訳はこうです。 「先駆者は、元来、容易に邪魔者になり変わるものだ。」 新時代にとっての先駆者は、いつの時代でも旧時代の権力者にとっては邪魔者な…

北狄359号の感想 2

高畑幸『森林の消えたイースター島』; 作者、幸さんとおぼしき主人公は、チリ沖南太平洋の絶海の孤島、イースター島に来て四日目の朝、自分のいびきで目覚めるところからこの物語は始まる。 ベッドから起き上がると、そこに精霊モアイ・カバカバがいた。そ…

北狄359号4人の同人の作に想う

今日、午後6時から北狄359号の合評会です。 宰木陽二『錯誤』; 冒頭から秋の宮島を旅した西行法師が老女に道をたずねたやり取りからこの掌編は始まります。 作者である主人が、探しものを妻に尋ねようとするが、妻が不在で所在ないまま、テレビをつけると…

今日の魯迅箴言「老的让开道,催促着,奖励着,让他们走去」

今日の魯迅箴言は「老的让开道,催促 ,奖励着,让他们走去」(老いた者は若者に道を譲り、促し、励ましつつ、彼らを先へと歩ませる)です。 「老的让开道,催促着,奖励着,让他们走去. 路上有深渊,便用那个死填平了,让他们走去. 少的感谢他们填平了深渊,给自己走…

今日と明日は東京です

今朝、新幹線で仙台に降り、昼をはさんで、午後3時過ぎまで原発事故と核燃料サイクルの研究会に出て、よるに次男と新宿で会った。新宿ワシントンホテルに2泊する。東京で勉強するのもいいものだ。

12日は北狄の合評会

自信をもって発表した「エレファント・イアーを飲もう」でしたが、反応はいまひとつはっきりしないので、不安になってきた。12日のためにもう一度きちんと読み替えすことから始めていきたい。 それにしても、早く原発のことを小説に書きたい。書きたくてしょ…

北狄359号新聞に紹介される

今朝の東奥日報朝刊の文化欄に、同人誌「北狄」359号の紹介記事が小さく載った。 宰木陽二「錯覚」(5枚) 小野誠二「叱った」(5枚) 小野允雄「私の三市点描」(15枚) 高畑幸「森林の消えたイースター島」(19枚) 石沢武「もう一つの願い事」(…

今日の箴言「用秕谷来养青年,是决不会壮大的」

今日の魯迅箴言は「 用秕谷来养青年,是决不会壮大的」(屑米で青年を養えば、けっして大きく丈夫には育たない)です。 「用秕谷来养青年,是决不会壮大的, 将来的成就,且要更渺小」 これの日本語訳はこうです。 「屑米で青年を養えば、けっして大きく丈夫には…

孔子と弟子たち、宋の大臣に追い払われる

「論語」の述而07篇につぎの章があります。 (07-22 )「子曰。天生徳於予。桓魋其如予何。」 これの読み下し文は、以下の通りです。 「子(し)曰(いわ)く、天(てん)、徳(とく)を予(われ)に生(しょう)ぜり。桓魋(かんたい)其(そ)れ予(われ)を如何(いかん)せん…

今日の箴言「孩子是要别人教的」

今日の魯迅箴言は「孩子是要别人教的」(子どもには他人の教えが必要)です。 「孩子是要别人教的, 毛病是要别人医的, 即使自己是教员或医生. 但做人处世的法子,却恐怕要自己斟酌, 许多别人开来的良方,往往不过是废纸.」 これの日本語訳はこうです。 「子ど…