今日の論語一日一章「人之過也、各於其黨」

 今日の論語一日一章は、第4篇「里仁第四」の第7章「人之過也、各於其黨」(人の過ちや各其の党に於てす)です。
 これの漢文原文は、こうです。
 「子曰、人之過也、各於其黨。觀過、斯知仁矣。」
 また、これの読み下し文はこうなります。
 「子曰く、人の過ちや各其の党に於てす。過ちを観て斯に仁を知  る。」
 つぎに、これを中国語簡体表記はこうです。
 「子曰,人之过其党。观过,斯知仁矣。」
 さらに、この章の日本語訳はこうなります。
 「孔子がいわれた。人の過失は、その人物の種類に応ずるものであ る。それ故人の過失を観ると仁者か不仁者かがわかる、と。」
 この章の語句・語彙の注釈はこうです。
 党;なかま、たぐい、ことです。
 この章は、偶然の過失によって、人の心がわかることを述べたのです。
 呉祐という人は、後漢の順宗皇帝の時、膠東侯の宰相となって仁愛を第一として政を行ったから、官吏がよく懐いた。下役に孫性という者があって、人民に銭五百を課税して単衣を買って父に進めた。父が怒って「爾は何故にあのような君を欺くのか。速やかに帰って罪に服するのがよい」という。性は慙じ惧れて自首した。祐は左右の人を斥けてその訳を問うた。性は父の言を残らず申上げた。祐は「下役が親を養うために汚辱の名を受けた。これは『過ちを観てここに仁を知る』というものだ」と曰って、帰って父に謝罪させ、又、衣を贈らせた。