北狄349号の注文あり

今日、宮城県大崎市の人から電話があり、北狄349号を送ってくれとのことだった。これまでも、服部進先生の作品や、小野允雄さんの作品が載った号の北狄を所望される方からの連絡はたまにはあった。今回は「河北新報」に載った北狄349号の紹介記事を読んだ方だった。陸軍幼年学校時代のことを書いた小野誠二さんの作品を読みたいとのことだった。小野誠二さんは北狄349号の巻頭で「雨のち晴れの旅に出て」という作品を寄せている。仙台の陸軍幼年学校の仲間の集まり出席するために札幌から羽田にむかった筆者とおぼしき「わたし」の二泊三日の旅のことが書かれている作品である。登場するのは幼年学校の仲間ではなく、ホテルの女従業員に集いの会場の温泉宿の番頭、それに帰りの日に上野の博物館のテントで出会った会社の社長という男性の三人だけである。ほんの二十一枚の作品だが筆者と三人のそれぞれの人生が垣間見れる佳品です。何はともあれ、紹介していただいた河北新報に感謝する次第です。