今週には発行されるのか北狄359号

 わたしは北狄359号に「エレファントイアーを飲もう」を書いた。原稿用紙で64枚程度の短編だが、北国の海峡に面した辺境の街にいきる男の半生を、ふるさとにこだわりを持って、周りの人に支えられて生きているさまを描いたつもりだ。
 海峡の海流が重なる蛸壺の湾の底の街に沈殿するように生きている人の想いを正直に書いたつもりだ。
 産まれた土地にこだわり、そこでほとんどの時間を生活し、その土地で死んでいき、その土地の墓に葬られることの幸せを囲うと思った。幼稚園、小学校、中学校、高校と同じ土地、近所に住み、新しく家を建てて移り住んでも、おなじ街に住んでいる友人は互いに助け合って生きている。その人たちのことを書いたつもりである。
 そんなわけで、不必要なことも書きすぎた気もするが、とにかく書きたいことは全部書いた。当分、この街のことはあと書かなくていい。そんなわけで、あとは北狄の出来上がりを待つだけ。楽しみだ。
 遙56号の「ペルガモンの鞄を捨てるな」を読んでみて、校正を注意したつもりだったが、初校だけなので、やはり段替えの一字あけのないところが一箇所だけあった。57号ではもっと注意しないといけない。とにかく、6月に遙と北狄で2作の小説が発表されるのは、気持がいい。
 あとは、いま準備している「ねぶた師平蔵」の執筆だけだ。