論語一日一章を再開します

 漸く北狄363号の原稿「ねぶた師平蔵」の目途がつきましたので、今日から論語一日一章を再開します。

 今日事務所から家に戻ると河北新報の佐藤記者から5月20日の同紙が送られてきていた。見ると、4面の東北の本棚のコーナーで、北狄362号が紹介されていませいた。実は、佐藤記者から北狄362号の解説をしてくれと頼まれ、まさか自作を解説するわけにもいかず、青柳隼人さんの「浮島のあかり」、井藤雪香さんの「お祭りのあとで」、それに編集長・秋村健二さんの「青年の階段の前で」の3作をとりあげ、詳細な解説文を書いて送りました。
 佐藤記者は、北狄362号を詳細に読み、さらに私の解説文を参照したうえで、次のような原稿を書き、それが記事として掲載されました。ありがたいものです。
 「北狄/362号 青森市に拠点を置く文芸同人誌で、小説8編を収録している。
 青柳隼人さんの」浮島のあかり」は、東北地方北部の城下町が舞台。東京から大学教官として単身赴任してきた社会心理学者の女性と、同じ大学の定年近い男性教授との出会いから物語は始まる。教授に教えられた縄文遺跡や沼を訪ね、不治の病に侵された教授の影を見るというストーリー。幻想的な世界に引き込む描写は優れている。
 秋村健二さんは本誌の編集長。今回掲載した「青年の階段の前で」は、自らの体験をもとに散文タッチでつづる。戦後10年、高校に入学して間もない主人公の青春物語。上級生からの暴力やら女子高生との恋文事件などを経験しつつ一歩ずつ成長していく。時代風景がよく表現されている」
 さすが佐藤記者は河北新報の生活文化部のキャップだけのことはあります。実にうまくまとめてくれました。同じ4面に、週間ベストセラーズのコーナーがあり、仙台も東京も、1位は村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」でした。