349号合評会

北狄349号(成田本店新町店1F奥郷土出版コーナーにあります)の作品を紹介します。
1 小野誠二「雨のち晴れの旅に出て」(21枚)
 秋の半ば、仙台陸軍幼年学校時代の仲間の集いに出席するため関東地方大雨の三日目、札幌から空路東京へ。雨の中、新宿近くのホテルに前泊。ホテルの食堂で和食をとる。生ビールと酒1合で食堂の女性と会話。当日は本厚木の温泉宿。宿の番頭格の老人と会話。宴会が終わり、新宿のホテルへ雨が降り続ける中、戻る。前夜と同じ食堂で同じ和食にビール1本。温泉宿の番頭格の老人とホテルの食堂の女性の仕合わせでない過去に思いが走る。三日目、青く澄みきった晴天となるなか、吉原見物。永井荷風の世界に凝り、一葉記念館から芭蕉の旧居跡まで足をのばす。上野の博物館のテントで抹茶を飲んでいるときに70がらみの紳士と出会う。「健康第一」「お元気で」と別れる。青さたっぷりの空に心が吸われ気分が和み、疲れがどんどん取れていく。青さを増した高い空を見上げ、夕焼けの空に背を押されて羽田を飛び立つのを想う。「人の患いは、人の師となるを好むにあり」(孟子
2 宰木陽二「寄付」(山門セミナー12)(16枚)
 仏法において、多く寄付すれば大きな仏になり、少し寄付すれば小さな仏になる。寄付の行為は、「壇波羅蜜」の行ともいう。
3 秋村健二「いえのはなし」(26枚)
4 石沢 武「老人と実習生」(42枚)
5 乳井文佳「続、星空を見上げて」(59枚)
6 笹田隆志「ロサンゼルス無常」(61枚)