韓国映画「私の愛、私のそばに」を観る

 土曜日は朝から小雨だった。10時半過ぎに事務所に向かい、昼は「小青島」という新しくできた中華料理店で会食。主人は料理コンクールで優勝したこともある青島出身のコックだそうで、六品ほどの料理のどれも皆私の口に合った味付けだった。
 小雨は降り続いていたが、風も少し強くなっていたので、本町からの帰りは新町から夜店通りに出て、アーケードの下を歩いた。国道前の角にシネマディクトがあった。13時50分上映開始の「私の愛、私のそばに」という案内板が目に入った。時計をみると1時45分であった。こんな日には恋愛映画もいいかなと思ってエレベーターのボタンを押した。
 映画は韓国映画で、バツ二の葬儀屋の死体清掃人の娘が、仕事先で喪主の男に会う。その男は同じ高校の出身で娘のことを知っていた。法律専攻で司法試験を受けつづけているその男はルーゲーリック病という体が動かなくなる難病にかかっていて、余命数年と言われている。男は娘に求愛する。中国に手術を受けに行って、病状は少し回復する。娘は男に惹かれていき、ついに結婚する。それからは、男の闘病生活とそれを支える娘との愛と葛藤の物語が展開する。主人公二人の流す涙の回数が増えるのに、何故か哀しくない映画だ。娘の明るさが何ともいえない。男が死を迎える瞬間も、観る者を哀しくさせない不思議な映画だった。最後は娘が夫である男に死装束を着せるところでこの映画は終わる。
 今月で二本目の映画だが、「津軽百年食堂」に比べて、この映画の方が奇抜で面白く、しかも、脚本がよくできていると思った。