私に対する批評

 北狄354号の合評会での私の『氷の都』に対する評価はすこぶる悪かった。構成、推敲に難があると。ひとり、老師だけがほめてくれた。あとは、同人外のふたりの先輩から、今後に期待する、とお葉書をいただいた。
 昨夜の遙の例会でも、隣に座った先輩から「他人の批評に臆せず、頑張れ」と励ましていただいた。ただし、「もっと、もがき、苦しめ」と指摘もされた。私は師の服部先生が逝かれてから、「心にぽっかり穴が開いたようだ」と思いを伝えた。
 例会の途中、大阪の友人から、ただ一人行方が不明だった仙台の友人の無事が確認されたとの連絡が入った。胸のつかえがおりた感じがした。これで少し心穏やかに机に向かえるような気がした。
 それにつけても、自分のふがいなさに我慢ならない日が続いている。貧すれば鈍するとはよく言ったものだ。それでも、生きていることのありがたさをかみしめ、ゆったりと下腹に少し力を入れて、下手な小説を書くことに集中することにする。
 静けさと孤独、これが大切なのかもしれない。