アンゲロプロスの死

 昨年、4月23日に「伝説の詩人佐々木英明と幻のロックシンガー古川壬生のジョイントコンサート」をプロデュースした。
 この日、新町の旧おきな屋ホールの舞台設営や座席のセットから音響照明まで元天井桟敷で活躍した佐々木英明の指示で高校の同級生たちが手伝ってくれた。コンサートは成功したが、とくに佐々木英明が自作の詩の朗読のバックミュージックとして使ったアンゲロプロスの「永遠と一日」のサンドラトラックに感動した。
 私たちは「伝説の詩人と幻のロックシンガーのジョイントコンサート第2弾」として、古川壬生の脚本による「ホノルルナイト」を佐々木英明の一人芝居として三月下旬に上演する企画をたてていた。その打ち合わせの席でアンゲロプロスの「永遠と一日」のことが話題に上った。
 もう一度、佐々木英明の永遠と一日をバックにした自作詩朗読の会もやろうかとも話していた。
 そのアンゲロプロスが1月24日、映画の撮影中に不慮の死を遂げた。ギリシャの哲人映画監督は、「もうひとつの海」の完成をみることなく、バイクにはねられ頭を強打して死んでしまった。残念である。
 まずは「ホノルルナイト」を成功させて、その次に「永遠と一日」の佐々木英明自作詩朗読もアンゲロプロスの追悼の意味でも実現したいものだと思う。