今日の論語一日一章は、第5篇「公冶長第五」の第24章「巧言令色足恭、左丘明恥之」(巧言令色足恭は、左丘明之を恥づ)です。
これの漢文原文はこうです。
「子曰、巧言令色足恭、左丘明恥之。丘亦恥之。匿怨而其人、左丘明恥之。丘亦恥之。」
また、これの読み下し文はこうなります。
「子曰はく、巧言令色足恭は、左丘明之を恥づ。怨みを匿して其の人を友とするは、左丘明之を恥づ。丘も亦之を恥づ。」
さらに、この章の中国語簡体表記はこうです。
「子曰,巧言令色足恭,左丘明耻之。丘亦耻之。匿怨而友其人,左丘明耻之。丘亦耻之。」
ここで、この章の日本語訳はこうなります。
「孔子が曰われた。言葉を巧みにし、外貌を飾り、恭敬に過ぎることは、古の賢人の左丘明はこれを恥じてしなかったが、丘もまたこれを恥じる。心に怨みを匿して外に見さず、その人を友として交わることは、左丘明は恥じてしなかったが、丘もまたこれを恥じる、と。」
今日の語句・語彙の解説はこうです。
巧言令色;(学而第一の第3章にある)巧みに言辞を弄して人を悦ばせ(巧言)、おかしくもないのに笑ったりして人に諂う(令色)ことをいいます。
足恭(すうきょう);足は過ぎることをいい、恭敬が度に過ぎることです。
其の人;ここでは、吾が怨んでいる人のことをいいます。
この章は、人が心を立てるのには、直を尊ぶことを示したものです。
巧言令色足恭を恥じるのは、心の邪媚を恥じることです。怨みを匿してその人を友とすることを恥じるのは心の奸悪を恥じることなのです。