今日の論語一日一章「於從政乎何有」

 4月26日の東奥日報の文化欄で青森ペンクラブの会誌「北の邊」が詳細されていましたが、わたしのエッセー「母を語る」『母のベレー帽』に関する記事が残念ながら載せてもらえませんでした。
 同じように、同じ東奥日報では、遙最終号の紹介がいつもより大きなスペースで掲載されていましたが、ここでも創作を載せた三人の同人の名前はありませんでした。残念というか、ほんとうに自らの力の無さを感じ、少しく哀しくなりました。
 そんななか、河北新報からは北狄362号について、小説3作品ぐらいの紹介記事が載るような話が飛び込んできました。ありがたいものです。

 今日の論語一日一章は、第6篇「雍也第六」の第6章「於從政乎何有」(政に從ふに於て何かあらん。)です。
 これの漢文原文は、こうです。
 「李康子問、仲由可使從政也與。子曰、由也果。於從政乎何有。曰、賜也可使從政也與。曰、賜也達。於從政乎何有。曰、求也可使從政也與。曰。求也藝。於從政乎何有。」
 また、これの読み下し文はこうなります。
 「李康子問ふ『仲由は政に從はしむべきか。』子曰はく、『由や果。政に從ふに於て何かあらん。』曰はく、『賜や政に從はしむべきか。』曰はく、『求や政に從はしむべきか。』曰はく、『求や藝。政に從ふに於て何かあらん。』」
 さらにこの章の中国語簡体表記はこうなります。
 「李康子问,仲可使従政也与。子曰,由也果。於従政乎何有。曰,赐也可使従政也与。曰,赐也达。於従政乎何有。曰,求也可使從政也与。曰,求也艺。於従政乎何有。」
 ここで、この章の日本語訳はこうです。
 「李康子が孔子に尋ねた、『仲由(子路)は政を執らせることはできますか。』孔子が答えた。『由は決断のできる男ですから、政を執らせても差し支えはありません。』李康子は、『賜(子貢)は政を執らせることができますか。』孔子『賜は事理に通じている男ですから、政を執らせても差し支えはありません。』李康子『求(冉有)は政を執らせることはできますか。』孔子『求は才能の多い男ですから、政を執らせても差し支えはありません。』と答えた。」
 さらに、この章の語句・語彙はこうです。
 政に従う;大夫となって政を行うのである。
 果;決断すること。
 達;事物の理に通ずること。
 藝;才能の多いこと。
 この章は、孔子が李康子の問いに答えて、三人の弟子の長ずる所を挙げて各々政に従うことができることを述べたのである。
 つまり、決断のできる男は大疑を決し大事を定めることができる。事物の理に通じている者は、執着したり停滞したりすることがない。才能の多い者はよく煩雑な事務を処理することができる。この三人の才はみな政に使うことができるのに、李康子はその長所をとって用いることを知らなかったのである。