魯迅箴言 15

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 前節(14)で魯迅は、「マンネリを打破するためには、思い切って新しいことを導入するか、はたまた、古きに倣い初心にかえってやり直すしかない」と言っている。
 
 曾经阔气的要复古,正在阔气的要保持现状,未曾阔气的要革新。大抵如是。大抵!「かつて勢力があった者は復古したがり、今まさに勢力がある者は現状維持したがる。勢力がなかった者は革新したがる。ほぼ、そんなところだ。ほぼ!」
 
 この箴言については、過去の日記でこう記述されている。
 
 2012年1月23日の日記から;
 「日本は戦後の高度成長の歪みが一挙に現れ、都市部を中心として鬱積した不満が現状打開のために革新の方向へ政治潮流が大きく流れたこともあった。しかし、国民の多くは社会主義的な革新の道を選択したのではなく、ソ連・東欧の崩壊とあわせ、社会民主主義的な社会保障と社会資本の整備と、資本主義的生産様式のままでの市場経済的繁栄を選択したのだった。この方向が、さらに現状不満のはけ口としてより革新側にシフトしそうになったこともあったが、自民党やその後に発生した民主党という中間保守党が現状維持的な妥協的政策でもって、この20年ほど推移してきたのは間違いがない。政権交代があっても、政策的にはあくまでも現状維持であった。その背景には、労働組合の弱体化の影響も大きかった」
 
 2012年10月8日の日記から;
 「魯迅のこの箴言は、いまの日本の現状によく当てはまる。かつて勢力があった者とは、自民党総裁に返り咲き首相となった安倍晋三のこと。今、まさに勢力がある者とは民主党野田佳彦首相のこと。勢力がなかった者とは、小沢一郎(生活が第一、代表)、橋下徹日本維新の会代表。」