10月13日に東京の反原発の集会で、大江健三郎さんが魯迅箴言を引用して、福島原発事故で世界は人類とともに滅び、未来への希望を失ったと述べ、あたらしい希望へとつづく道をこれからつくりださななければならないと述べたそうです。私もまったく同感です。大江さんが魯迅を引き合いに出してくれたことをうれしく思います。
「经验的所得的结果无论好坏,都要很大的牺牲,
虽是小事情,也免不掉要付惊人的代价。」
これの日本語訳はこうです。
「経験がもたらす結果は、善かれ悪しかれ、皆大きな犠牲が払われており、
たとえ些細な事柄でも、驚くほどの代価の支払いは免れない。」
ここで、魯迅は何事にも結果にいたるまでには、驚くほどの代価や犠牲が支払われていることを知らなくてならない、のだと言っています。つまり、犠牲があってこそ、結果がついてくるのだということです。結果だけをみるのではなく、そこにいたるまでには相当の犠牲が払われ、そうした経験の上に現在の結果があるのだと、自覚自省することを求めているのです。その犠牲や支払われた代価に思いを致すことが大事なのだと言っています。
この箴言での語句・語彙の説明はこうです。
確保;确保quebao
確定;确定queding
当日;当日dangri
当月当月;dangyue
承諾;应允yingyun 应许yingxu
経験;经验jingyan
得たもの;所得suode
結果;结果jieguo
善かれ悪しかれ;无论好坏wulunhaopi
皆;都dou
大変大きな;很大henda
犠牲;牺牲xisheng
たとえ~でも;虽sui
事柄;事情shiqing
免れられない;免不掉mianbudiao
代価;代价daijie
人を驚かす;要付惊人yaofujingren