論語一日一章「學而不思則罔」(学んで思わざれば、即ち罔し)

 今日の論語一日一章は、論語第2篇「為政第二」の第15章「學而不思則罔」(学んで思わざれば即ち罔し)です。
 この章の漢文原文はこうです。
 「子曰、學而不思則罔、思而不學則殆。」
 そして、読み下し文はこうなります。
 この章の中国語簡体表記はこうです。
 「子曰,学而不思则罔,思而不学思殆。」
 また、日本語訳はこうなります。
 「孔子が言われた。ただその事を学ぶだけで、その理屈を思索しなければ、心がくらくてなにも悟り得ることはできない。それに、ただその理窟を思索するだけで、その事を学ばなければ、空想に過ぎないから、危うくて不安を免れない、と。」
 ここで、この章の語句の解説はこうです。
 学ぶ;ここでは、広く先人の経験などを学び習うことを、いっています。
 思ふ;己の心で考えて、道理をもとめることをいいます。
 罔(くら)し;知慮のひらけぬ(たりない)ことをさしています。
 殆(あやふ)し;不安なことをいいます。
 この章は、孔子が学ぶことと思うこととはどちらも廃してはならぬことを述べたものです。
 「思うて学ばず」ということは、若い人たちによくある弊害ではないでしょうか。