日本人は謝罪し続け、謝罪を求め続けるべきか

 中国に来て、第二次世界大戦について、とりわけ戦後の歴史認識について考えさせられている。唯一の被爆国の日本は、アメリカの原爆投下の被害者としてアメリカを告発し続けている。毎年、8月6日と9日、そして15日のことは忘れない。しかし、中国においては、第二次世界大戦といえば、日本の侵略に対する抗日戦争のことを意味するということを忘れてはならないのだ。日本は加害者であり、被害者は勿論、中国なのだ。このことを抜きにして、現在においてもなお、中国における中日関係は存在しないということだ。
 中国人はもはや、日本や日本人に対して過去の歴史について、謝罪を求め続けてはいない。日本人に対して、過去の歴史認識を誤ることなく、両国の友好と関係改善を続けるよう求めているだけなのだ。
 日本はアメリカに対し、潜在意識のなかで原爆投下の謝罪を求め続けているが故に、いつまでも中国から謝罪を求められていると錯覚し、歴史認識をゆがめ、事実までも改竄しようとさえする動きもあるのだ。中国が紛れもなく大国だという懼れも潜んでいることはいうまでもない。
 日本人がこれから隣国であるアメリカと中国の双方との関係を考えるとき、もう一度これら両国との第二次世界大戦についての歴史認識をしっかり根底に据えてかからないと大きな間違いを起こすのではないかと危惧する。
 アメリカと中国、この両国から反日の動きが同時に政治と経済の面で起こったら、即日、日本は沈没するのではないか。
 この問題を解くキーワードは武力と平和だ。核軍縮日米安保条約。それに距離と肌色。2時間と13時間。白人と黄色人種。日本はいまこそ、初等中等教育に中国語を取り入れるべきではないか。
 中国国内だけで約14億人、世界各地に居住する中国人を含めると15億人に達するかもしれない。もはや、日本は中国を下に見ていられる時代ではなくなった。
 今日の尖閣列島の中国漁船の衝突事件をきっかけに、日本人は第二次世界大戦歴史認識をしっかり再確認し、あらたな日米・日中関係を構築すべき時期に来ているように思う。