村上春樹に脱帽

 村上春樹は中国では最も知られた日本人作家だ。大江健三郎のあとは彼がノーベル賞作家だと確信している。その理由のひとつは、大江健三郎と同じく、村上春樹もかの魯迅を愛読していたからだ。もう一つの理由は、彼がバルセロナで国際文学賞の受賞式での挨拶で述べた言葉に心をうたれたからだ。
 全文は紹介できないが、読売新聞の記事には、村上春樹が(日本では広島・長崎の原爆投下に続く)2度目の核の惨事だ」、「我々日本人は原子力エネルギーを拒否すべきだった。安易に効率を優先する考えに導かれるべきではなかった」と述べたと伝えている。原子力のことが分からない人にも文学者の言葉で丁寧に非常に長い時間、切々と語っている。私は完全に村上春樹に脱帽した。
 明日から心を入れ変えて、この同時代同世代の作家に学びながら頑張らなければならないと思った。