大連に発つ前日、友人夫婦と娘に会う

 9日5時半に起床した私は、京成成田駅前のアパホテルを出発し、成田空港第2ターミナルまで、ホテルの無料バスに乗りました。朝の9時台のフライト予定の6時40分発のバスには、観光旅行らしい女子大生の二人組の他はみなビジネスマンのようで、私が一番の年配者でしたが、宿泊客25人ほど乗りこみ、20分もかからずに第2ターミナルに到着しました。途中、空港に入る前に、パスポートの確認を受けました。若い男女の係員がバスの乗客一人ひとりの本人確認を丁寧な言葉づかいでてきぱきと済ませ、わずか2分ほどで検問停車は終わりました
 8日の午後4時半、旧歌舞伎座前で友人と待ち合わせの約束でしたので、3時50分に到着した羽田空港からまっすぐ京急線に乗り、泉岳寺都営地下鉄線に乗り換え、ちょうど時間通りに東銀座へ間に合いました。友人夫婦に案内されてまず月島の岸田屋にタクシーで向かいました。商店街の中ほどに5時開店だというのに、私たちが到着した4時35分には、すでに店の前から店の横の路地まで12~3人の客が並んで開店を待っていました。皆常連客ばかりで、金曜日の5時きっかりに店の戸が開き、20人ほどの客が肩を寄せ合い、壁に張り付くように入ると店内はいっぱいになり、女主人が入口の戸を閉めて店内満員としました。私は岸田屋で牛筋の煮込みと葱のたっぷり入った肉豆腐を肴に瓶ビール1本と清酒2合を飲んで、友人に促されて店をでたのでした。所要時間1時間と15分でしたが、十分に月島の味を堪能しました。店を早く出たのは、6時前に娘から電話が入ったためでした。9月に結婚する娘は7月から勤めに出たらしく、勤務先の麹町から東銀座に来てくれました。
 月島から再び東銀座までタクシーで戻り、娘と合流したあと駅前通りの信州蕎麦屋に入りました。私と友人は蕎麦屋で蕎麦を肴に清酒を飲み、4人で懇談した後、9時過ぎに友人夫婦と娘と別れました。私はひとり東銀座から成田まで京成の成田空港行きの各駅停車の電車に乗ったのでした。こうして私は膝に旅行バッグを乗せ、1時間余り身動きもせず、車内の乗客の様子を窺いながら電車の行く先を一駅ずつ確かめていたのでした。
 羽田から成田までの電車賃とホテル代(3,500円)も含めて5千円もかかりませんでした。第2ターミナルで私は大連行き日航機の搭乗手続きを済ませ、通関を通る前に5万円を人民元3500元に換金しました。Eチケットを実際のチケットに発券してもらいましたが、そのチケットにはサクララウンジの利用可能と優先搭乗という印字もしてありました。
 こうして私は、パスポートチェックと手荷物確認を難なく済ませ、中国へ向けて出発ゲートに入ったのでした。