中国共産党結成後の中国

イメージ 1  今年は中国の辛亥革命100周年であり、中国共産党の結成90周年である。いまや世界で共産党の1党独裁により国家を維持しているのは中国とキューバぐらいだといっていいのではないか。
 7月に中国とりわけ北京に行ってみて、いまの中国は辛亥革命100周年より中国共産党結成90周年の方に重きをおいているように見えた。 とにかく、14億人近い人民を掌握する中国共産党の勢力たるや、22の省、4つの直轄市、5つの自治区、2つの特別行政区をはじめ、すべての行政、あらゆる公共、農村から都会、そして大都市から市、鎮、郷のいたるところに盤石な組織体制がはりめぐらされている。
 1911年10月10日に辛亥革命が成立し、1921年7月23日に中国共産党は結成されている。そして、毛沢東を指導者として中国共産党による中華人民共和国の建国宣言がなされたのは、1949年10月1日である。
 しかも、建国以来幾多の変遷を経ながらも、1党独裁を守り続けてきた中国だが、1966年の文化大革命以後、とりわけ毛沢東の死後、文化大革命推進派は力を失い、混乱を迎えたが、漸く1977年に文革終結が宣言され、1978年12月から鄧小平の指導のもと革命路線から改革開放、現代化路線へと路線転換を図った。
 1981年には文化大革命を完全に否定し、毛沢東の誤りを一部認めている。さらに1989年に起きた天安門事件以降は、保守派が勢力を盛り返し、党の独裁体制が再び強化された。それによって、経済成長がスピードダウンしたことによって、1992年の鄧小平による「改革開放を加速せよ」との号令のもと、1992年10月に「社会主義市場経済」が打ち出された。
 鄧小平の死後、1997年には鄧小平理論を「社会主義の初級段階における党の路線」として確立し、今日に至っている。2002年には江沢民総書記が私営企業家の入党を認める「3つの代表」思想が党規約に明記され、胡錦濤体制へと引き継がれた。
 現在の中国共産党は、2020年までにGDPを2000年の4倍とする目標を掲げて、「全面建設小康社会」の実現をめざしている。2010年時点で7800万人の党員がいるとされ、1972年日中国交回復後に入党した党員と2002年に入党許可された私営企業家とあわせ今後の対応・動向が注目されている。
 中国共産党の1党独裁による社会主義市場経済がどこまで深化するのか興味深いのは事実である。市場経済と政治支配がどのように結び付くのか、あるいは民主化の嵐が起こるのかどうか、も注目される。
 写真は、2011年7月14日の北京天安門前。