佐々木英明の詩

 18日、佐々木英明が今年最後のサイクリングロードでやってきた。小湊から1時間半かけて、身体にぴったりフィットしたユニフォームを身につけ、流線形のヘルメットを被りペダルに吸い付くようなシューズで颯爽と階段を上り事務所に現れた。
 63歳にはとても思えない若さだ。佐々木英明は1時間半、家族のこと、青森中央学院大学の小説を書こう講座のこと、詩作のこと、劇団野の上と不識の塔のこと、詩の朗読と舞踏のこと、寺山修司のこと、寺山修司記念館のこと、などを言葉を選びながら、静かに語って帰って行った。
 佐々木英明はこの日、向かい風をもろともせず現れ、追い風に乗って爽やかに消えた。
 今日、佐々木英明から「北狄」357号に投稿する詩が送られてきた。トーマス・マンの「魔の山」をもとに、「女体モデル」という新しい詩だ。大陸のロマンあふれる新しい恋愛詩を「北狄」に提供してくれた。
 私の小説はいまだできあがっていない。急がなくては。