癌についておもう

 半年前に前立腺の手術をした山内さんが、先月大量下血して緊急入院して、大腸癌の手術をしたということで14日渡邊教授とともに県病にお見舞いに行った。
 6階のガン病棟の個室に山内さんはいた。そこに次女でロサンゼルスにいるはずの娘さんも看病していた。彼女は私の長男と同じ監査法人に勤める会計士さんだ。突然の手術に帰国したのだという。今月いっぱいは看病するとのことだった。
 山内さんは顔色もよく、大腸癌はステージ2で手術も成功し、あと5年転移していなければ大丈夫といたって元気だった。お見舞いどころか、渡邊教授と三人で、食生活の改善によって、癌を克服しようということになった。
 保健大の渡邊教授は、私たちに自らも励行している玄米食を勧め、野菜と大豆を主とした食事に替えていこうと提案した。病室にあった医療雑誌に目を通すと、痛風には酢の物と足湯がいいとあり、その夜から実行している。
 酒を絶ち、肉食をやめてから、二週間余、足の痛みは徐々に軽減しているものの、足元がおぼつかない状態に変わりはない。ただ、確実に体重だけは減っている。腹部の膨満感はなくなり、身体全体が軽くなった感じがする。何年ぶりかの89キロという体重には喜びさえ感じている。
 医者にも行かず、薬も飲まず、体質改善と食生活の改善で痛風を直すと決めて取り組んでいる成果は着実に上がっている。
 そんなこともあって、気分一新しようと、1階の洋間でしていた校正の仕事を切り上げ、二階の書斎ですることにした。ピアノの蓋の上やパソコン回りの本やメモ類を全部二階に運んで、書類の整理をしていたらもう11時を過ぎていた。
 今日は午後から、映画上映会の受け付けをボランティアでやらなければならない。夜に帰ったら、二階で作業を継続するつもりだ。それにつけても、足の痛みが和らいだのはなんとも嬉しい。だが、油断大敵である。完全に元通りになるまでは、気を引き締めてかからないといけない。あの痛風の痛みはもうごめんだからだ。