今日の論語一日一章「十室之邑、必有忠信如丘者焉」

 今日の論語一日一生は、第5篇「公冶長第五」の第27章「十室之邑、必有忠信如丘者焉」(十室の邑、必ず忠信丘の如き者あらん)です。
 この章の漢文原文はこうです。
 「子曰、十室之邑、必有忠信如丘者焉。不如丘之好學也。」
 また、これの読み下し文はこうなります。
 「子曰はく、十室の邑、必ず忠信丘の如き者あらん。丘の学を好むが如くならざるなり。」
 さらに、これの中国語簡体表記はこうなります。
 「子曰,十室之邑,必有忠信如丘者焉。不如丘之好学也。」
 ここで、この章の日本語訳はこうです。
 「十戸ほどの小邑でも、必ず丘(孔子の名)のような忠厚信実な美しい性質を持つ者があろう。まして広い天下には幾人もあることであろう。ただ他の人は性質の美しいことを恃んで、丘が学問を好んでこの美しい性質を完成させるようにしないのである。これはまことに悲しむべきことである。」
 今日の語句・語彙の解説はこうです。
 十室の邑;十戸ほどの邑で、邑のうちで至って小さいものである。
 この章は、性質の美しいことを恃まずに、学問を勉べきことを諭したのである。
 朱子がいうには、「美しい性質の人は得易いけれども、究極の道は悟り難い。学んでその極みに達すれば、聖人となることができる。学ばなければ凡人となることを免れない。勉め励まさなければならない。」