今日の論語一日一章「免於今之世矣」

 今日は6月22日土曜日です。雨は降っていませんが、またまた曇りです。今朝の為替は、1ドル97円90銭とまた少し円安が続いています。

 さて、今日の論語一日一章は第6篇「雍也第六」の第14章「免於今之世矣」(今の世に免れんこと)です。
 この章の原文はこうです。
 「子曰、不有祝鮀之佞而有宋朝之美、難乎、免於今之世矣。」
 これの読み下し文はこうなります。
 「子曰はく、祝鮀の佞ありて而して宋朝の美あらずんば、難いかな、今の世に免れんこと。」
 また、この章の中国語簡体表記はこうなります。
 「子曰,不有祝魠之佞而之美,难乎,免於今之世矣。 Zǐ yuē, bù yǒu zhù tuó zhī nìng ér yǒu sòng zhāo zhīměi, nán hū, miǎn yújīn zhī shì yǐ。」
 さらに、この章の日本語訳はこうです。
 「孔子が曰われた。世が衰えて人はみな諂諛(てんゆ)を好み美色を悦ぶようになったから、もし祝鮀のような弁舌がなく、又宋朝のような美しい容貌がないならば、今の世において他人の憎悪を免れることは困難である、と。」
 ここで、この章の語句・語彙の解説はこうです。
 免れんこと;他人の憎悪を免れること。
 この章は、世が衰えて人がみな諂諛を好み美色を悦ぶのを傷んだのである。
 祝鮀は衛の大夫で、字を子魚という。祝は官名で、神に事(つか)えて福を求めることを掌る。鮀(だ)は名である。弁舌に巧みな人である。宋朝は宋の国の公子で名を朝(ちょう)という。容貌の美しい人である。
 直言を好まないで諂諛を好み、徳を悦ばないで、色を悦ぶのは、衰勢の常である。
 ここで、てん‐ゆ【諂諛】とは、おもねりへつらうこと、である。