今日の論語一日一章「女得人焉爾乎」

 今日は6月19日水曜日です。昨日で先進国サミットは終わりました。安倍首相はメルケル首相の外側に立っていました。今日は昨日に続き雨曇りの天気です。そんなに暑くはありませんが、少し蒸し暑くなりそうです。1ドル95円50銭台です。

 今日の論語一日一章は第6篇「雍也第六」第12章「女得人焉爾乎」(女、人を得たるか。)です。
 「子游爲武城宰。子曰、女得人焉爾乎。曰、有澹臺滅明者。行不由徑、非公事、未嘗至於偃之室也。」
 これの読み下し文はこうです。
 「子游、武城の宰となる。子曰はく、『女、人を得たるか。』曰はく、『澹台滅明といふ者あり。行くに径に由らず。公事に非ざれば未だ嘗て偃の室に至らざるなり。』と。」
 また、これの中国語簡体表記はこうです。
 「子游为武城宰。子曰,女得人焉尔乎。曰,有澹台滅明者。行不由径,非公事,未尝至於偃之室也。Zǐ yóuwèiwǔ chéng zǎi. Zǐ yuē, nǚ dé rén yān ěr hu. Yuē, yǒu dàn tái miè míng zhě. Xíng bùyóu jìng, fēi gōngshì, wèicháng zhìyú yǎn zhī shì yě。」
 さらに、この章の日本語訳はこうなります。
 「孔子の弟子の子游が、魯の武城という邑の代官になった。政を行うには人材を得ることが大切であるから、孔子が『汝はりっぱな人物を見出したか。』と問われた。子游が『澹台滅明という者があります。必ず大道を歩いて小さな捷径(ちかみち)などは通りません。公事でなければ私の室へ来たことはありません。』と曰って、澹台滅明の行いが正しく 心に守る所のあるりっぱな人物であることをほめた。」
 ここで、この章の語句・語彙の解説はこうです。
 宰;代官。
 焉爾乎;この三字は助辞である。
 径(こみち);小さなちかみち。
 偃;子游の名。
 この章は、賢者が人を取る道を述べたものである。
 澹台(姓)滅明(名)は字を子羽という。武城の人である。孔子の弟子で、容貌は醜いけれども徳行のすぐれた人である。
 小さなちかみちなどを通らないところを見ると、必ず正しい道に従って行動して、小事を見、速成を欲する心のないことがわかる。公事でなければ代官に面会しないところを見ると、自ら守る所があって己を屈して人に従うような私心のないことがわかる。(朱子によれば)
 己を持するのに滅明を手本とすれば人から賤しまれて恥をかくことはない。人を取るのに子游を手本とすれば、よくない人から媚びられて心を惑わされることはない。(朱子によれば)