今日の論語一日一章「女爲君子儒、無爲小人儒」

 今日は、6月18日、朝は雨がふりそうだったものの、雨もふらないまま昼からは曇りのままだったが、蒸し暑くなってきた。
 かつて、学者を目指したことがあった。そのころに孔子にあっていれば、「汝、君子の儒となれ、小人の儒となるなかれ」と言われたに違いない。結局、君子儒どころか小人儒ともなれなかった。おかげで、無名のまま、趣味で小説を書く楽しみを味わっている。しかし、それにつけても、他人に自分が学者であることを知られたがっている小人儒が如何に多いことか。

 今日の論語一日一章は、第6篇「雍也第六」の第10章「女爲君子儒、無爲小人儒」(女、君子の儒となれ、小人の儒となるなかれ。)です。
 この章の原文はこうです。
 「子謂子夏曰、女爲君子儒、無爲小人儒。」
 ここで、読み下し文はこうなります。
 「子、子夏に謂って曰はく、『女(なんじ)、君子の儒となれ、小人の儒となるなかれ。』と。」
 そして、日本語訳はこうです。
 「孔子が子夏に向って曰われるには、『汝は学問するならば、自身の人格の完成を求めるような学者となれ。小人(しょうじん)のような学者となるな。』と。」
 さらに、中国語簡体表記はこうなります。
 「子谓子夏曰,女为君子儒,无为小人儒。 Zi wèi zi xià yuē, nǚ wèi jūnzǐ rú, wúwèi xiǎo rén rú。」
 この章の語句・語彙の解説はこうです。
 女;汝。
 儒;学者の通称。君子儒は己の人格の完成を求める。小人儒は他人に知られることを求める。
 この章は子夏を戒めて、学問をするのに心を用うべき所を知らしめたのである。子夏が初めて孔子に見(まみ)えた時のことであろうということである。