21世紀の空海

 土曜日の新聞で空海のことを書いた高村薫の「21世紀の空海」を読んだ。「1200年前の日本の為政者や僧侶たちにとって、中国はどれほど遠く、大きく、偉大な異国で会ったことか。明治期にも日本人は近代化のためにこぞって洋行したが、最先端の文明への情熱において遣唐使の方が、はるかに上をゆくだろう」という書き出しから始まるこの文章はきわめて興味深い内容を含んでいた。