教え子の来日

 昨日、4月29日(昭和の日)、東京や青森では連合主催のメーデーが行われていました。上海の日系ミシン企業に働いている長春時代の教え子が東京京都大阪の観光旅行団一員として来日するので会いたいと言ってきたことから、急遽上京することにしました。朝一番の飛行機で、9時前には羽田空港へ着いていました。北朝鮮との国境のかつて高句麗の首都でもあったことのある集安出身の彼女と彼女の両親には、かの古都を訪れ、世界遺産好太王碑を見学し、鴨緑江はさんで北朝鮮を眺望した際に世話になったからです。結婚前に、来日したいと言っていた一番なついてくれた学生でした。
 同じく教え子で、さいたま市でコンビニのバイトしながら日本語語学学校に通っている教え子に空港まで来てもらい、彼女が羽田空港に到着するのを国際線ロビーで待ったのでした。彼の方は、同じ大学の日本語学科2年のクラス委員をしていた男子で、とても面倒見のいい天津出身の学生でした。
 5年ぶりで見る彼女は、すこしふっくらとして25歳のお嬢さんになっていた。お土産に木箱に入った朝鮮人参、乾燥シイタケの袋、それに鉄観音の入った缶をもらいました。5年前も朝鮮人参をもらったことがあるのを思い出しました。集安で鉱山地質の調査をしている彼女の父と内科医の母がともに健在であることを聞いて、安心したのでした。
 
 昨日の子規歳時は、
 長安の市に日長し売ト者 (1897年、明治30年4月29日)
 「一時正岡が易を立ててやるといって、頼みもせぬのに占ってくれ、畳一枚くらいの長さの巻紙に何か書いて来た」とは漱石の話です。子規の易占術は竹村黄塔に伝授されたものだと子規は書いています。

 昨日(4月29日)の魯迅箴言は、第3章中国の脊梁(せぼね)の箴言56です。
 科学不但并不足以补中国文化之不足,
  却更加证明了中国文化之高深。
  风水,是合于地理学的,门阀,是合于优生学的,
  炼丹,是合于化学的,防风筝,是合于卫生学的。
  一灵一的合于科学,亦不过其而已。
  Kēxué bùdàn bìng bùzú yǐ bǔ zhōngguó wénhuà zhī bùzú,
  què gèngjiā zhèngmíngliǎo zhōngguó wénhuà zhī gāoshēn.
  Fēngshuǐ, shì hé yú dìlǐ xué de, ménfá, shì hé yú yōushēng xué de,
  liàndān, shì hé yú huàxué de, fáng fēngzhēng, shì hé yú wèishēng xué de.
  Yī líng yī de hé yú kēxué, yì bùguò qí éryǐ.
「科学は中国文化の不足を補うに足らぬばかりか、中国文化が高く深いことをさらに証明してくれる。風水は地理学に、門閥優生学に、煉丹(みょうやくづくり)は化学に、凧揚げは衛生学にぴったり合うのだ。『神のお告げ』が『科学』に合致するのも、またその一つにすぎないのだ。」
 煉丹;①昔中国で、道士が辰砂をねって不老不死の妙薬金丹を作ったこと。②体気を丹田(たんでん)に凝集する修練法。③煉薬(ねりやく)の異称。ここでは、①のことか。