`今日の箴言「防被欺」

今日の魯迅箴言は「防被欺」(騙されるな)です。
「防被欺.
 自称盗贼的无须防,得其反倒是好人,
 自称正人君子的必须防,得其反则是盗贼.」
 これの日本語訳はこうです。
「騙されるな。
 自称、盗賊には用心無用、裏返せば善人である。
 自称、聖人君子にはぜひとも注意すべし、裏返せば盗賊である」
 つまり、自分で盗賊だと名乗る悪人は、そんなに用心しなくてもいいが、自ら善人だという人間こそ悪人だから用心し、注意すべしと、魯迅は騙されてはいけない、と言っているのです。
 まあ、この世には聖人君子顔の悪人がどんなに多いことか、最もいけないのは、善人ぶって国を牛耳る政治家でしょう。国民はいつも騙され続けています。これは、いまも昔も変わりありません。
 この文明が深化した現代にあっても、2500年前の中国春秋時代孔子が唱えた徳政など及びもつきません。それだけ人間の心は業欲だということなのだろうか。
 冒頭の、「防被欺」が強烈で、いいですね。