今日の箴言「假使世界上真有天才」

 今日の魯迅箴言は「假使世界上真有天才」(もしもこの世界に真に天才がいるとしたら)です。
 「假使世界上真有天才,
    那么,谩骂的批评,于他是有损的,
    能骂退他的作品,使他不成其为作家。
    然而所谓谩骂的批评,于庸才是有益的,
    能保持其为作家,不过据说是吓退了他的作品。
 これの日本語訳はこうです。
 「もしもこの世界に真に天才がいるとしたら、
 悪罵の批評は、彼にとって不利であり、
 その作品をしりぞけさせ、作家になることを阻むだろう。
 だが、いわゆる悪罵の批評は、凡才にとっては有益で、
 彼に作家の面目を保たせる。
 悪罵のせいで作品ができなかった、というわけだ。」
 
  この世に真の天才もいなければ、悪罵の批評家もいないけれども、批評家の悪口を気にして作品をださない作家はまさに凡才だと魯迅はいっています。天才でさえ、口の悪い批評家にかかっては、作品を出せないし、作家になることすらない、と言っています。作家は、そういう批評家に対しては、お前のせいでいい作品が書けなかったと弁解すればいいのだから、と魯迅はいっています。