今日の箴言「人必有所缺」

 魯迅は『南腔北调集nanqiangbeidiaoji(南と北のなまりの交じった集)』のなかで、孔子の持病のことを語っています。
 
 今日の魯迅箴言は、「人必有所缺」(人にはかならず欠けたところがある)です。
 「人必有所缺,
    这才想起他所需。
 これの日本語訳はこうです。
 「人には必ず欠けたところがあり、
 それによってようやく、何が必要か思いいたる。」
 ここで、魯迅は、人間には必ず欠点や、欠けたところがあり、それだからこそ何が不足し、なにが必要かわかるのだ、と言っています。完全無欠な人間などいないのだから、自分に欠けているものを見つければ、何が不足しているか、わかるのだと言っているのです。
 また、この箴言が載っている『南腔北調集』のなかで、魯迅はこうも言っています。「中国の女性の脚から中国人が中庸でないのを推定し、また、それから孔子が胃病もちだったことを推定する」(由中国女人的脚,推定中国人之非中庸,又由比推定孔夫子有胃病)と。
 
 ここで、今日の単語は以下の通りです。
  必ず;必bi
 欠けているところ;所缺suoque
 思いいたる;想起xiangqi
 何が必要か;他所需tasuoxu
 脚;脚jiao
 推定する;推定tuiding
 でない;非fei
 中庸;中庸zhongyong
 孔子先生;孔夫子kongfuzi
 胃病;胃病weibing