1日5枚完全原稿を誓った 二人の友人

3日の夕刻、服部進先生宅を訪問し、年始と焼香を済ませた私と友人宮園真木は、同じく友人の古川壬生と会うために千成寿司に向かった。折からの雨でタクシーを拾ったが、先に着いていた壬生は店の前でタバコを吸っていた。奥の部屋を広く使って、ゆったりと話をした。真木と壬生は互いに、太宰の「満願」のような小説を1日に完全原稿で5枚書き続けると宣言し合った。私は、その会話を黙って聞いていた。