中国神話の舜について

 論語の衛霊公第15に出てくる舜とはどんな人なのだろうか。
 舜(しゅん)とは中国神話に登場する君主のことである。五帝の一人といわれる。姓は姚(よう)、名は重華(ちょうか)、虞氏(ぐし)とも称された。
 舜は孔子をはじめ、儒家により神聖視され、堯(ぎょう)と並んで堯舜と呼ばれて聖人と崇められた。また、二十四孝として数えられている。
 舜は顓頊(せんぎょく)の7代子孫とされる。母を早くになくして、継母と連子と父親と暮らしていたが、父親達は連子に後を継がせるために隙あらば舜を殺そうと狙っていた。舜はそんな父親に対しても孝を尽くしたので、名声が高まり堯の元にもうわさが届いた。
 堯は舜の人格を見極めるために、娘の娥皇と女英の2人を舜に降嫁させた。舜の影響によりこの娘達も非常に篤実となり、また舜の周りには自然と人が集まり、舜が居る所には3年で都会になるほどだった。
 そんな中で舜の家族達は相変わらず舜を殺そうとしており、舜に屋根の修理を言いつけた後に下で火をたいて舜を焼き殺そうとした。舜は2つの傘を鳥の羽のようにして逃れた。それでも諦めずに井戸さらいを言いつけ、その上から土を放り込んで生き埋めにしようとした。舜は横穴を掘って脱出した。
 この様な目に遭いながら舜は相変わらず父に対して孝を尽くしていた。
 この事を知って、舜が気に入った堯は舜を登用し、天下を摂政させた。そうすると朝廷から悪人を追い出して百官が良く治まった。それから20年後、堯は舜に禅譲した。
 帝位についた舜は洪水を治めるために禹を採用し、禹はこれに成功した。その後39年間、帝位にあって最後は禹に禅譲して死去した。なお、舜の子孫は周代に虞に封ぜられている。
 南風歌という歌を作ったと言われている。
 陳の陳氏の祖とされ、陳からわかれた田斉の祖でもある。
 ちなみに白川静は舜は元々帝嚳の事であって殷の始祖とされていたと言う説を挙げている。