今日の箴言「农夫耕田」

 今日の魯迅箴言は「农夫耕田」(農夫が田を耕し)です。
「农夫耕田,泥匠打墙,
  他只为了米麦可吃,房可住,
  自己也因此有益之事,得一点不亏心的猢口之资,
  历史上有没有[乡下人列传]或[泥水匠列传],
  他向来就开没有想到。」
 これの日本語訳はこうです。
「農夫が田を耕し、左官が壁を塗るのは、
 食べられる米や麦、住める家屋に、みずからもその恩恵に与りながら、
 なんのやましい気持もなく生活費を得るためで、
 歴史上に「田舎者列伝」や「左官屋列伝」があるかどうかなど、
 これまで考えたことすらあるまい。」
 
  このように魯迅は、農夫や左官屋が自分の名が歴史に刻まれることなど考えることもなく、人の食料を生産し、住居をつくることによって、自らの生活費を得ることだけを考えて、生きているのだ、と言っているのです。