今日から第4篇、里仁第四です。この篇は全部で26章あります。はじめの7章は仁のことをいい、あとは多く学のことをいっています。
今日の論語一日一章は、第4篇「里仁第四」の第1章「里仁爲美」(里は仁を美となす)です。
これの漢文原文はこうです。
「子曰、里仁爲美。擇不處仁、焉得知。」
また、この章の読み下し文はこうなります。
「子曰く、里は仁を美となす。択んで仁に処らずんば、焉んぞ知とするを得ん。」
さらに、中国語簡体表記はこうです。
「子曰,里仁为美。择不处仁,焉得知。」
この章の日本語訳はこうなります。
「孔子が言われた。町村は仁厚の風俗のあるのを美しいとする。仁厚の風俗のある町村を択んで住まなければ、どうして智者ということができよう、と。」
ここで、語句・語彙の注釈はこうです。
里;古では、25家の一団を里といったようです。日本にはそれにあたる名がないので、仮に町村と訳しておきました。
択ぶ;里をえらぶことをいいます。
処(を)る;居住するという意味です。
知;智の意味に用いています。
この章は里を択ぶべきことを述べています。
つまり、智あるものは、是非善悪を見分けるものです。仁厚の風俗ある里を択んで住まないような人は是非善悪を見分ける本心を失ったものであるといっています。