今日の論語一日一章は第5篇「公冶長第五」の第13章「子路有闻未之能,惟恐有闻」です。
この章の漢文原文はこうです。
「子路有闻未之能行,惟恐有闻」
また、この章の読み下し文はこうなります。
「子路聞くことありて未だ之を行ふこと能はざれば、惟聞くことあるを恐る。」
さらに、この章の中国語簡体表記ではこうなります。
「子路有闻未之能行,惟恐有闻。」
この章の日本語訳はこうです。
「子路は、善に進む心の強い人で、善言善行などを聞くと、まだこれを実行しないうちに更に善言善行を聞いて、己の聞いた善言善行が実行しきれなくなることを恐れた。」
この章の語句・語彙の解説はこうなります。
聞くことあり;初めのは善言善行を聞くことで、終わりのは一度聞いた後に更に他の善言善行を聞くことをいいます。
この章は子路が実行に意を専らにしたことを述べたものです。
范祖禹が曰うには、「子路は善を聞けば必ず行うのに勇のある人で、他の門人たちは自ら及ばないと思ったから、ここに書き記したのである。子路のような人は能くその勇を用いた人だといってよい。」と。