今日の論語一日一章「予所否者、天厭之」

 今日は7月4日木曜日です。昨夜来の激しい雨が小ぶりになったとはいえ、まだ不知続いています。いま、午前2時半。暗い闇の中、雨に打たれて事務所から家に戻ってきました。今日はいよいよ参議院議員選挙の公示日です。選挙が終われば、日本は滅びの道に突き進むことになるかも知れません。それを阻止する力は見当たりません。
 円相場は1ドル100円を突破しました。NYの長男が言うように、1ドル110円、年率3%の物価上昇が安定的に定着するどころか、一挙に修復不能なインフレバブルから奈落の底へと落ち込むことになるやもしれません。日本が経済的にも軍事的にも独立国家として維持できなくなったときは、アメリカの51番目の州となるのか、はたまた中国の台湾省に続く24番目の省になってしまうのか、それとも自滅の道を選ぶのか、そのどちらかであろうという、悲惨な結末を迎えるのではないか、そんな予感さえするのです。

 さて、今日の論語一日一章は第6篇「雍也第六」の第26章「予所否者、天厭之」(予がすまじき所の者あらば、天之を厭(た)たん)です。
 この章の原文はこうです。
 「子見南子。子路不説。夫子矢之曰、予所否者、天厭之。天厭之。」
 またこれの読み下し文はこうなります。
 「子、南子に見(まみ)ゆ。子路説(よろこ)ばず。夫子之に矢うて曰はく、「予がすまじき所の者あらば、天之を厭(た)たん。天之を厭たん、と。」
 ここで、この章の中国語簡体表記はこうです。
 「子见南子,子路不说。夫子矢之曰,予所否者,天厌之。天厌之。
  Zi jiàn nán zi. Zilù bù shuō. Fūzǐ shǐ zhī yuē, yǔ suǒ fǒu zhě, tiān yàn zhī. Tiān yàn zhī。」
 この章の日本語訳はこうなります。
 「孔子が衛におられた時、衛の霊公の夫人の南子という人に謁見したことがある。孔子の門人の子路は、南子は不品行な人だから、見(まみ)ゆべき人物ではないと思って、孔子が南子に見えたことを辱として悦ばなかった。孔子がこれを見て、子路に誓いの辞をもって曰われるには、『わしの行いに礼に合わず道に由らない所があるならば、天がわしを罰してわしを見棄てる。天がわしを見棄てる。』と。」
 ここで、この章の語句・語彙の解説はこうです。
 説(よろこ)ぶ;ここでは、悦と同じに用いられています。
 矢(ちか)う;誓う、です。
 すまじき所;礼に合わず道に由らない所のことをさしています。
 厭(た)つ;棄てて絶つことをいいます。
 天之を厭たん;ここで之は、「予」のことをさしています。
 この章は、孔子が礼に従い、道に由って不品行な夫人に謁見したときのことを述べたものです。
 南子は衛の霊公の夫人で、不品行な人です。孔子が衛に行かれた時、南子が会いたいと曰ったから、一旦は辞したけれども、古ではその国に仕えれば、君の夫人には見える礼があったから、見えたのです。
 色々の説がありますが、ここでは朱子の解釈に従いました。