服部先生を思い出し、新しい一歩を踏み出す

 昭和29年創刊の文学同人誌「北狄」は今年に60周年を迎えた。4月19日に祝賀会をやることになり、打ち合わせもやって、準備を進めている。午後4時から「ラプラス青い森」で60周年記念号の北狄366号の合評会をやり、そのあと午後6時から祝賀会があります。
 私はこの頃、元代表の故服部進先生の北狄に載せた小説を読んでいます。服部20先生は2009年2月3日に亡くなられましたが、前年6月の北狄343号に「春の修羅」を書き、9月発行の344号に「夏の修羅」、そして12月発行の345号に「秋の修羅」を書かれました。しかし、2009年1月4日の合評会に服部先生の姿はなかったのでした。追悼号として2009年3月発行の346号には、「冬の修羅」ではなく「花子」が遺作として発表されたのでした。「秋の修羅」では、「冬の修羅」を読者が読むことがかなわないことを予感させましたが、まさかその通りとなるとは思いもよりませんでした。
 実をいうと、よき師を失った私は、346号から書けなくなったのでした。ただ書いているだけでした。366号を契機に新しい一歩を踏み出したいものです。