北狄の火を消さない

服部先生の奥様が造道の自宅を離れてから十日がたった。日に日に服部先生の存在感が、重しのように僕にのしかかってくる。はたして、北狄は存続できるのだろうか。服部先生と奥様の存在なくして北狄はありえなかった。率直に言って、いまの僕には荷が重い。しかし、誰かが編集長に名乗りでてくれるまでは、北狄の火を消すことはできない。天が与えてくれた試練だと思い、頑張るしかない。