去年の今頃は、私にとって中国は遠い存在だった。中国より韓国の方が身近に感じていた。
それが、4カ月の中国滞在ですっかり中国が身近になってしまった。中国と聞くと、すぐに敏感に反応してしまう。いろいろあったが、第二の故郷とも感じてしまうのは不思議だ。
満洲から引き揚げてきた人たちのことが頭をかすめる今日この頃だ。友人の父が倒れたとの報に、その人が満洲からの引揚者だっということも重なった。どんな思いが友人の父の脳裏に浮かんでいるのだろうか、と思うとこれからの私の追憶のなかに中国がどんなかたちであらわれては消えていくのか気になった。