今日の論語一日一章は、第5篇「公冶長第五」第16章「晏平仲、善與人交。久而敬之。」(晏平仲は善く人と交はり、久しうして之を敬す。)です。
これの漢文原文はこうです。
「子曰、晏平仲、善與人交。久而敬之。」
また、これの読み下し文はこうなります。
「子曰はく、晏平仲は善く人と交はり、久しうして之を敬す。」
さらにこれの中国語簡体表記はこうです。
「子曰,晏平仲,善与人交。久而敬之。」
この章の日本語訳はこうなります。
「晏平仲は善く交際の道を全うした人である。人は久しく交際すると敬意の衰えるものであるけれども、晏平仲は始めから終わりまで敬意を失わなかった。」
この章の語句・語彙の解説はこうです。
敬;ここでは、驕りもせず、地位を鼻にかけたりもせず、礼貌と誠意を失わないことをいいます。
この章は孔子が晏平仲を称美したものです。晏平仲は斉の大夫で名を嬰といいます。平仲は字です。春秋時代の賢人のひとりといわれています。
人間は誰しも、久しく交わると、狎れ易くなって誠意が欠けるものですが、晏平仲はそんなところが微塵も見られない人だと孔子は晏平仲を評しています。