良一の提灯

 北狄にねぶたのことを4回書いた。
 362号(2013年3月)「精三老人のねぶた」(47枚)
 363号(2013年6月)「ねぶた師平蔵」(45枚)
 364号(2013年9月)「バトンタッチねぶたっ子」(30枚)
 365号(2013年12月)「昌平のねぶた下絵」(28枚)
 この4作で150枚の連作だった。このうち「精三老人のねぶた」は週刊読書人で取りあげられ、かなりほめてもらった。4作とも思いをこめて書いたが、特に力を入れて書いたのは「ねぶた師平蔵」だった。しかし、これら4作とも三田文学の「新同人雑誌評」で取りあげられることはなかった。
 2014年4月発行の「三田文学春季号」の「新同人雑誌評」で取りあげられたのは、先の北狄の作品ではなく、2013年11月の「文ノ楽」No14に載せた「良一の提灯」(27枚)だった。これは、北狄の4作のおまけのつもりで書いた作品だった。
 とても不思議な感じがしている。提灯屋のねぶた師のことを書いた5作のうち、最初の作品とおまけの作品がとりあげられたからである。
 そして、いま締めくくりの意味をこめて9月完成を目途に「岬は16代目」(100枚)を書いている。