イエイツの「女ごころ」

 朝からの小降りの雨がやみそうだ。どんよりと外は曇っている。
 女ごころがわからない。女が書けない。
 イエイツの詩を読んだ。
 「女ごころ」
 あわれ祈祷(いのり)と安息(やすみ)に充ちたりし
 小部屋もいまや要あらず、
 かの君はわれを暗處(くらしょ)に出でしめ
 わが胸はその胸の上にこそあれ。

 あはれ母親の配慮(こころづかい)も
 安らけく暖かく棲みしわが家(や)も要あらず、
 烏羽玉(うばたま)のわが黒髪は
 暴風(あらし)よりわれ等を衛らむ。

 あはれ衛りの髪とうるめる眼(まなこ)よ、
 はやわれに生死(いきしに)のけじめなし、
 わがこころ恋人の暖きこころの上にあり、
 わが息吹(いぶき)恋人の息吹にまつはりて。