検閲について

中国に行って、ツイッターとGブログ「カバのつぶやき」ができなくなり、北狄ジオシティーズだけが可能となった。最初は、順調に見えた。警戒心のない私は、見たまま、感じたまま、書いた。金正日長春に来た本当の理由についても書いた。それがいけなかったのか、カウンターが5千を超えたあたりからカウンターの表示が消えた。設定を零に戻して、新しくカウント始めても表示板は×のままだった。何人がアクセスしているのかわからないのは不安だった。日本からコメントが時々あるのが、届いている証拠だとはわかった。それでも検閲されているのは間違いがない。それは、メールも同じだ。訊くと、メールやインターネット専門の検閲官だけで3万人もいるそうだ。
恐ろしい社会である。そんなに批判されることが怖いのだろうか。ものを言えない、言わせないようにされている学生が可哀そうだ。検閲だけでなく、私のような外国籍の教師は、行動を監視されているのも良く分かった。寮にも、教育棟にも廊下にも階段にも玄関にも監視カメラが設置されている。市外に出かけるときは必ず届け出をしなければならない。帰国を一カ月早め、しかも一時帰国ではなく、永久帰国することに決め、最初で最後のクリスマスを吉林省の北側、ロシア国境の黒竜江省省都であるハルビンで過ごそうと計画を立て、同地出身の学生にガイドを頼んででかけた。しかし、現地に到着した夜、予約していたホテルに断られ、何軒か探して別のホテルに泊ったが、戻ってきた後で、呼び出しがあって、外泊していたことがばれていた。そんな国なのである。中国とは。麻薬所持のあらぬ嫌疑をかけられ、死刑になることもありうることを想ったのは、そのあとである。