今日の論語一日一章「人之生也直」

 今日は6月25日火曜日です。5時半に起きて、家の周りを散歩しました。円は97円70銭台のようです。

 今日の論語一日一章は、第6篇「雍也第六」の第17章「人之生也直」(人の生くるや直なり)です。人間は直に生きなければ生を全うすることはできないのだから、直でなく生き長らえた者は、たまたま幸運だっただけだ、と孔子は言っています。

 この章の原文は、こうです。
 「子曰、人之生也直。罔之生也幸而免。」
 読み下し文はこうなります。
 「子曰はく、人の生くるや直なり。之を罔(な)みして生くるや幸ひにして免(まぬが)るるなり、と。」
 また、中国語簡体表記ではこうです。
 「子曰,人之生也直。罔之生也幸而免。 Zǐ yuē, rén zhī shēng yě zhí. Wǎng zhī shēng yě xìng'ér miǎn」
 ここで、この章の日本語訳はこうなります。
 「孔子が曰はれた。人が生きているには生きておるべき道理がある。この道理のことを直といって、仁義礼智(信)等の本心が自然に発露して曲げられることが無いのを謂うのである。もしこれを無視して直でないならば、生きているべき道理を失って生を全うすることができないはずである。しかるになおよくその生命を保つ者は、幸いに死を免れたのである、と。」
 また、語句・語彙の解説はこうです。
 之を罔(な)みす;直でないこと。
 幸ひ;僥倖。
 免(まぬか)る;死を免れること。
 この章は人の直でないのを警戒したのです。
 直は天下一般には、認むる好悪に従って私心を用いない意味にも解しますが、ここには惻隠・辞譲・羞悪・是非等の本心が自然に発露して曲げられるところのない意味に解しておきました。