世界はこんなにも広い

 今日の魯迅のことばは、「世界はこんなにも広く、しかもまた、こんなにも狭いのです。貧しい人々はこんなにも愛し合いながら、しかもまた、愛し合えずにいるのです。そして、晩年はこんなにも孤独でありながら、しかもまた、孤独に安んじられないのも事実なのです」
 魯迅は、人々はこの広くもあり、狭い世界で、貧しいながらも愛し合い、憎みあって生きている。晩年にはみな孤独になるが、孤独ではこころ安らかにはなれないと言っています。つまり、どんなに貧しくとも、家族、友だち、そして隣近所のひとたちと助けあって生きていかなければならないと言っているのです。
 今日の孔子論語子路篇第5節にある「斗筲(しょう)の人、何ぞ算(かぞ)うるに足らん」です。これは孔子の弟子の子路が現代の政治家はどうかと問うたのに対する孔子の答えなのです。
 子路の問いに対する孔子の答えはこうです。「斗は一升、筲(しょう)は一斗二升の升というが、そんな升ではかれるような小人物どもは論ずるにも及ばない」といっているのです。孔子の時代の政治家はどれも、見識もなく、倫理観もなく、よそに使いを出すことなどとてもおぼつかない連中ばかりではないか、といっているのです。これは現代の日本の政治家についてもあてはまるのではないでしょうか。大臣はおろか、青森市議会議員をみるにつけ、升にも入らないほどの小人物ではないでしょうか。