魯迅博物館

 北京の魯迅博物館に去年に続いて二度目の訪問でした。南河沿大街のホテルを出て、天安門大通りに出ます。そこから左に行けば王府井駅、右に向かえば天安門東駅です。私たちは天安門東駅から東西線の1号線に乗りました。復興門駅で環状線の2号線に乗り換えて、二つ目の阜成門で降りるとすぐ50メートルくらい路地のつきあたりが魯迅の旧居と展示館からなる魯迅博物館です。
 日本留学から戻った魯迅は故郷紹興ではなく、杭州を経て、国民政府首都の南京から、遷都された北京に移り、そこで文筆活動を始めるのですが、北京大学の講師や、北京女子師範大学の教授の傍ら小説をあいついで発表したのでした。
 博物館には仙台医専時代の通信簿も展示されていますが、成績はあまり良くなかったようです。2年で中退し、夏目漱石の旧宅に住んだりしています。やはり、魯迅のことを思うとき、かならず竹内好さんのことが頭をよぎります。魯迅の原稿がたくさん展示されてありますが、本当に字がうまいのです。細い筆できちんとます目をうめているのですから、そうとう几帳面な人だということがわかります。
 環状線の内側、しかも1号線から乗り換えた次の駅ですから、中心部にほぼ近いところに魯迅はすんでいたことになります。魯迅の旧居は、通りから100メートルくらい入った路地のつきあたりで、門の中は広く、ゆったりとした所にありました。
 今度は是非、生まれ故郷の紹興市に行ってみたいと思ったのでした。