論語一日一章「攻乎異端、斯害也已」(異端を攻むるは斯れ害のみ)

 今日の論語一日一章は、第2篇「為政第二」の第16章「攻乎異端、斯害也已」(異端を攻(いさ)むるは斯れ害のみ)です。
 この章の漢文原文はこうです。
 「子曰、攻乎異端、斯害也已。」
 これの読み下し文はこうなります。
 「子曰く、異端を攻(おさ)むるは斯れ害のみ。」
 また、これの中国語簡体表記はこうなります。
 「子曰,攻乎异端,斯害也已。」
 この章の日本語訳はこうなります。
 「孔子が言われた。学者が聖人の道と異なるような別派の道を専攻することは、人格完成の上に害のあるものである、と。」
 ここで、この章の語句・語彙の解説はこうなります。
 攻(おさ)む;専ら治めることをいいます。
 異端;聖人の道以外のものをさしています。
 この章は、孔子が、学問を志す者に対して、正道を修めて他に心を移さぬように、と戒めたものです。
 一定の目的に向って進もうとしている者が、その目的と異なる方面に心を向けることの有害なことは、いうまでもないことです。