今日の論語一日一章「周監於二代、郁郁乎文哉」

 今日の論語一日一章は、第3篇「八佾第三」の第14章「周監於二代、郁郁乎文哉」(周は二代に監みて郁郁乎として文なる哉)です。
 この章の漢文原文はこうです。
 「子曰、周監於二代、郁郁乎文哉。吾從周。」
 また、この漢文の読み下し文はこうなります。
 「子曰く、周は二代に監みて郁郁乎として文なる哉。吾は周に従はん。」
 さらに、中国語簡体表記でこうようになります。
 「子曰,周监於二代,郁郁乎文哉。吾从周。」
 ここでこの章の日本語訳はこうです。
 「孔子が言われた。周は夏と殷との二代の礼楽制度を視てこれを増減した。これによって文(かざり)と質(きじ)とが適度となって誠に盛んなる美観を呈した。だから、わしは周の礼楽制度に従おうと思う、と。」
 また、この章の語句・語彙の解釈はこうです。
 二代;ここでは、夏と殷のことをいっています。
 監む;観察することをいいます。
 郁郁;文の盛んな様子をいいます。
 文;礼楽制度の美観をいいます。ここでは、文(かざり)が質(きじ)に勝っているのではなく、質が備わりこれに文飾が加えられて美観を生ずることをいっているのです。
 この章では、孔子が周の礼楽制度の美をほめています。