今日の論語一日一章「力不足者、中道而癈」

 今日は6月17日月曜日です。天気は曇りです。1ドル94円50銭です。安倍首相は、参院選挙後の臨時国会は、成長戦略に論議を優先させて、憲法96条改正の先行改正に慎重な姿勢を見せていますが、国民を欺いて参院選挙を勝利しようという姑息な考えが見え見えです。アベノミクスが怪しくなり、化けの皮を剥がされはじめているようです。

 今日の論語一日一章は、第6篇「雍也第六」の第10章「力不足者、中道而癈」(力足らざる者は、中道にして廃す)です。
 この章の漢文原文はこうです。
 「冉求曰、非不説子之道。力不足也。子曰、力不足者、中道而癈。今女畫。」
 また、読み下し文はこうなります。
 「冉求曰はく、『子の道を説(よろこ)ばざるにあらず。力足らざるなり。』子曰はく、『力足らざる者は中道にして廃す、今女(なんぢ)は画(かざ)れり。』と。」
 さらに、中国語簡体表記ではこうなります。
 「冉求曰,非不说子之道。力不足也。子曰,力不足者,中道而废。今女画。Rǎn qiú yuē, fēi bù shuō zǐ zhī dào. Lì bùzú yě. Zǐ yuē, lì bùzú zhě, zhōng dào ér fèi. Jīn nǚ huà。」
 ここで、この章の日本語訳はこうです。
 「冉求が『私は心では先生の御教えを悦ばないのではありません。性質が愚かなので、進んで御教えに従おうと思いますけれども、力が足りないのでございます。』と曰ったので、孔子がこれを戒めて、『力が足りない者というのは、力を用いて進み求めて、中途になって力を止めてしまう者である。汝は力がありながら、進み求める心がないので、初めから己の力を限定しているのだから、力が足りない者とはいわれないのである。』といって、進んで道を求めるよう励ましたのです。」
 つぎに、この章の語句・語彙の解説はこうです。
 廃す;止めること。
 女(なんぢ);=汝(なんじ)
 画(かぎ)る;道を行くのに、初めから何里までしか歩けないと自ら限定するようなものである。
 この章は、孔子がその弟子の冉求を戒め励ましたのである。
 胡寅(こいん)が曰うには、「冉求は孔子が、『賢なるかな回や』といって顔淵を賞(ほ)めたのを聞いて、本文にあるようなことを曰ったのであるけれども、冉求がもし誠に孔子の道を悦ぶならば、必ず心力を尽くしてこれに求めようとするだろう。どうしても力の足りないことを患(うれ)うることがあろう。己の力を自ら限定して進まなければ、日に退歩するばかりである。これは冉求が孔子から『求や藝』と評せられて終ったわけである。」としています。