日本はあまりにアメリカ一辺倒ではないか

 TPP問題や沖縄嘉手納基地の移転問題を考えるにつけ、日本はあまりにアメリカ一辺倒ではないかと思ってしまう。政治経済外交の面でアメリカの意向を尊重しすぎるのではないか。もっと、世界の中で日本の果たすべき役割を考えるべきだと思う。このままだとアメリカの52番目の州だと言われても不思議でない気がする。わずか235年まえに建国されたアメリカ合衆国がこけたとき、神代の代から続く倭の国の命運が尽きてもいいのだろうか。
 先月、出張で帰国していたNYの長男が「アメリカはいまや完全に斜陽だ。ものづくりの分野では完全に立ち直ることがもはやできない}と嘆いていたのが気にかかる。
 日本は東だけでなく西に目を転ずるべきだ。14億人の中国、10億人のインドの現状を直視すべきだ。狭い国土だが、ダムの建設を止め、山に森林を取り戻し、減反政策を止め、小規模兼業農家を増やすべきなのだ。コメと野菜と果樹を中心として、自給自足を最低限確保し、そのうえで余剰のコメや果樹を中国やインドに提供すべきではないのか。その見返りに、工業原材料の資源を提供してもらえばいいではないか。
 五千年の歴史の中国についてすこし勉強してみて、中国を敵視したり、蔑視したり、畏れたり、侮ったり、騙したり、騙されたり、しないで、こののち何百年も、何千年もどう付き合っていくのかを真剣に考えるべきではないか、そう思うようになった。その延長線上にインドも、となりの朝鮮半島もあることはまちがいがない。
 なぜ、韓国、中国がTPPに入らないのか、それだけ考えても、この問題の解答ははっきりしている気がするのだが。
 アメリカと心中する覚悟でこの問題に対処しているようには、いまの民主党政治はとうてい思えない。